親御さんの介護費用は、親御さんのお金で賄うことをおすすめします。ご家庭によって、経済状況など違うと思います。ですので、すべての方に当てはまる訳ではないかもしれません。
理由として…
「自分自身のお金がなくなり、自分自身に介護が必要になった時に困ってしまう」
からです。
特に、介護離職された方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
〇介護が始まる前の準備として…
・親御さんの資産状況の把握(貯金、保険、家の名義の確認)
👉聞きずらいと思うので、まずは、家の名義を聞くことから始めるといいかもしれません。
・認知症になり家が売れなくなる👉家族信託
・認知症になった時の資産が凍結しないようにする。
・お金をおろしたくても、暗証番号がわからない時の対策。
・認知症になり預貯金がおろせなくならないようにする
👉具体的な対策
・家族信託の活用
・銀行の代理人手続きを事前に行う
・任意後見制度の利用
家族信託の仕組み
家を持つ本人(委託者)が、子ども(受託者)に不動産の管理・処分権限を託す。
受託者は、委託者(親)のために家を管理し、必要に応じて売却できます。
家族信託を設定しておけば、認知症発症後でもスムーズに家を売却可能です。
お金をおろしたくても、暗証番号がわからない時の対策
銀行の代理人カードを作る銀行によっては、家族を代理人に設定し、代理人用のキャッシュカードを発行できます。 ただし、銀行ごとに手続きが異なるため、早めに確認しておくと良いです。
暗証番号を信頼できる家族と共有する
本人が認知症になる前に、家族と共有しておくのが一番簡単です。 ただし、トラブル防止のために、記録は厳重に管理しましょう。
指紋認証・顔認証の活用最近では、スマホの指紋認証・顔認証を使って銀行アプリにログインし、振込や引き出しが可能です。 本人が認知症になる前に、設定しておくとスムーズ。
任意後見制度とは?
「将来、認知症になったときに備えて、信頼できる人に財産管理や手続きをお願いする制度」です。
・仕組み
- 本人が元気なうちに、後見人(家族・弁護士など)を選び、契約を結ぶ。
- 本人の判断能力が低下したら、家庭裁判所が契約を認めて後見人が活動開始。
- 後見人が、財産管理・銀行手続き・介護サービス契約などを代行できる。
・メリット
- 自分で後見人を選べる(成年後見制度だと裁判所が選ぶ)。
- 財産管理の自由度が高い(成年後見制度よりも使いやすい)。
- 認知症になる前に準備できるので、スムーズに対応可能。
・デメリット
- 契約時に公正証書が必要(公証役場で作成)。
- 発動には家庭裁判所の認可が必要(すぐに開始できるわけではない)。
- 成年後見制度に比べると管理の監督が弱い(信頼できる人を選ぶことが大事)。
☆おすすめポイント
✅ 認知症になる前に、財産管理を家族に任せたい。
✅ 成年後見制度よりも自由度の高い管理を希望する。
✅ 将来の財産トラブルを防ぎたい。
認知症になってからでは契約できないので、判断能力があるうちに準備するのが重要です!
知っておくと良いこと
介護認定を受けると障害者控除が受けられる
介護認定で「要介護1以上」と認定されると、障害者控除の対象になることがあります(自治体による)。
控除額(例)一般障害者控除:27万円 特別障害者控除:40万円
これにより、所得税や住民税が軽減されます。
●手続き
介護認定を受ける(要介護1以上が目安)。 役所や税務署に「障害者控除対象者認定書」の発行を依頼。 確定申告または年末調整で申告する。 親と※世帯分離すると特養の費用が安くなります。
※世帯分離とは?
同じ住所でも、住民票上の世帯を親子で分けることです。 これにより、親の所得が低いと判断され、特養の費用負担が減ります。
・メリット
特養の自己負担費用が軽減されます(所得が低いと減額される制度がある)。 親御さんの所得に応じた住民税・国民健康保険料が安くなる可能性があります。
・注意点
世帯分離しても、扶養控除や介護保険の適用は変わりません。 ただし、介護サービスの自己負担額や税金の計算が変わるため、役所で事前に確認するのがベストです。
事前の準備をすることは、簡単ではないかもしれません。しかし、備えをすることは、生活の安心感になると思います。