認知症の方と向き合う時、同じ話を何度も聞くための心の整え方

投稿者: | 2024年10月11日

認知症によって、繰り返し同じことをおっしゃり、混乱しているケースは多いと思います。
そんな時、ご家族はイライラしていないでしょうか?
介護施設の職員とは違い、ご本人との心理的距離が近いので、無理もありません。
まず、イライラする自分を責めないでください。

では、認知症の方ご本人が、「繰り返し同じことをおっしゃり、混乱している」時にどのように対応したらよいか、解説します。


まず、椅子やソファに一緒に座ってください。椅子でなくても、「落ち着ける環境」でご本人のお話を聴いて下さい。

ご本人のお話を聴くポイントは、
①否定しない
②なぜそう思うのか聴く
③共感する
④ご本人が困りごとをおっしゃっていれば、安心する一言を添える

このポイントを押さえて、繰り返しお話を聴いていると、ふとした瞬間、「あー良かった、安心した」となることが多いです。

話を聞いているときのもう一つのポイントは、会話を楽しむことです。内容は、同じことの繰り返しです。しかし、話をしているうちにちょっとした変化が出てきます。「おっ、違う話題が出てきた」と楽しんでみてください。それに対して、「なぜ?」「どうして?」と問いかけます。返ってきた言葉に、否定せず、共感したり、安心する言葉がけをします。

「繰り返し同じことを話す」ということを、「なんとかやめさせなければ」と思うと、余計に辛くなってしまいます。「落ち着ける環境」で話すのは、ご本人のためでもありますが、お話を聞くご家族自身のためでもあります。

どうしても、イライラなどの感情が抑えきれない時、意識していただきたいことがあります。
それは、ご本人の気持ち、ご家族の気持ちと、2つの気持ちが存在していることに気付いてください。
その上で、ご本人の気持ちを優先してみてください。そこに優しさがなくても大丈夫です。でも、ご本人の気持ちを大切にすることが、「愛」を表していると思います。

完璧な介護ではなく、適当さが大切です。ズボラでいいんです。その方が気持ちに余裕ができます。余裕ができれば、イライラも軽減できます。ご家族が笑顔でいると、ご本人にも好影響を与えて、安心感を持ってもらうこともできます。だからといって、いつも笑顔でいることは難しいですし、それに関しても完璧でなくても大丈夫です。でも、「愛」はきっとご家族の心の中にあると思います。それを大事にしてください。

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