「あらゆることを自分を勘定に入れず」──宮沢賢治が教えてくれた“本当のケア”のあり方

投稿者: | 2025年4月18日

宮沢賢治の詩『雨ニモマケズ』をご存知の方も多いかと思います。混沌とした現代社会において、この詩が持つメッセージは、ますます私たちの心に響くものがあるように感じます。

この『雨ニモマケズ』という詩は、
「雨にも負けず風にも負けず、病にも負けず」という非常に厳しくも理想的な人物像を描いています。

この理想像の核心が、
「あらゆることを自分を勘定に入れず」「そういうものにわたしはなりたい」
という一節に凝縮されているように思えます。

一見すると、自己犠牲の精神を描いているようにも見えます。
しかし、自己犠牲というものを超越して、その「覚悟をもって生きていく」という姿勢ではないかと思います。

その揺るがない自分の軸を持つことは、こころを穏やかにします。
周囲の意見に振り回されずにいられることで、心に余裕が生まれるのです。

その結果、利他の精神をもつことができます。
それが、『「あらゆることを自分を勘定に入れず」に生きる。』ことにつながるのではないかと思います。

自分のことは差し置いてでも、人のために生きる。という覚悟を持ちながらも、自分の心を大切にするというメッセージがあると私は思います。

これは、認知症ケアをする上でも、必要な姿勢だと思います。
利他の精神を持ちながらケアをする。そういった価値観や自分軸が揺らぐことなく持ち続ける。それが最良のケアにつながります。

日々の業務に追われる中で、「自分の価値観」を忘れてしまいがちではないでしょうか。
自分の内にあるポジティブな価値観が知らず知らずのうちに揺らいでいないか、定期的に見つめ直すことが大切です。
その行動によって、「自分の価値観」に立ち返ります。
それが、心に余裕を持たせるのです。
だから、ポジティブな自分の信念をもって、ケアができるのです。

ケアの価値観は人それぞれです。大切なのは、素直な心で他者の価値観にも耳を傾けながら、自分自身の軸も育てていくこと。それが、自分も周囲の人も心穏やかに介護と向き合える土台になると私は思います。


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