認知症という診断を受けると、その瞬間から、周りが、その方が「何も分からない人」という認識をもってしまいがちだと思います。
・外を一人で歩くと帰ってこれなくなるから、一人で外出させない
・何を言っても理解できないだろう
・何か伝えてもすぐ忘れてしまうだろう
確かに病気が進行すれば、
・外出して帰ってこれなくなる、
・理解力が低下する、
・短期記憶の保持が難しくなる
これらのことは起きるかもしれません。
しかし、認知症という診断を受けた瞬間、それらのことを心配して、今まだできることを奪ってしまうと、
・自信の喪失、
・精神的落ち込み、
を引き起こす可能性があります。
できないことに目を向けるのではなく、できることに目を向けることが大切です。
ご本人の「強み」(ストレングス)に着目して、それを活かした生活を送ることが、
薬よりも効果的ではないかと思います。
例えば、台拭きができるという「強み」をもっていれば、その仕事をお願いする。
そのあと感謝の言葉をご本人に掛ける。
「強み」を活かして、さらにそれが他者貢献に繫がると、オキシトシンという幸せホルモンも出ます。
承認欲求も満たすことができると思います。
そして、生き生きとしているご本人をみると、こちらも嬉しい気持ちになるのではないかと思います。
それは、わたしの認知症ケアのやりがいでもあります。
ご本人のためでもあるし、ご家族始め、援助者も、
みんなが嬉しい気持ちになれたら、とても幸せな時間になると思います。