初めまして。私、現在介護現場でケアワーカー兼ケアマネジャーをしております。
最近の事例で疑問に思ったことがありました。
私が勤めている施設の利用者様のAさんが、地域住民に電話を何度もかけてしまったり、夜、突然地域のお宅に行ってしまったりと、住民から地域包括支援センター(以後、包括とします)に苦情が入りました。包括から、今ご家族が長期的にいる内に(ご家族は数か月帰省し、また自宅に戻る生活)何とかしてくれと相談がありました。包括としては、施設入所を勧めています。
「地域住民から苦情が入った→何とかしなければ→施設入所すればいい」言い方は悪いと思いますが、それでは邪魔者の排除です。今地域包括ケアシステムを国が推進している中で、「地域で支える」という発想はなかったのでしょうか。地域包括ケアシステムは置いておいても、その前に人権の侵害ではないでしょうか。
どうしたらその方が地域で、慣れ親しんだ自宅で、生活を続けられるか考えましたが、答えが出ず悶々としていました。結果としてはご家族の意向で(本人の意向に添えなかった私も最低です)施設入所に至りました。
「認知症を患っても、住み慣れた自宅、地域で生活ができる」そのためにはどうしたらいいのか。私一人の力では中々難しく、この記事を読んでくださる方の意見をお聞きしながら、認知症ケアについて考えていきたいと思っています。
はじめは小さな輪かもしれませんが、少しずつ大きな輪となって、「自分らしく」生きることができる社会になったらと思います。これは認知症を患った方に限りません。当たり前のようで、見失っているかもしれないことですが、例え認知症を患ったとしても、一人の「人」です。この社会で自分らしく生きる権利を当然持っています。
私らしく、あなたらしく、自分らしく
このスローガンを掲げて、微力ではありますが力にならたら幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。