認知症は、「早期発見、早期治療」が大切と言われています。
しかし、一歩間違えると、それが早期絶望になってしまいます。
認知症という診断を受けた瞬間から、認知症の方に対する制限が始まるケースがあります。
火の元が心配だからと、調理をさせない
もう一人では暮らせない
一人で外に出かけさせない
と様々あります。
そうして、自信を失い、気分も落ち込みます。自分は迷惑な存在なんだと思われる方もいらっしゃいます。
また、まだ住み慣れた自宅、地域で暮らせる力があるのに、精神科病院に入院したり、施設入所する方もいらっしゃいます。
その対応が、適切に行われていればいいです。
しかし、ご家族、支援者、関係者、地域住民の方など周りの都合で、そのような対応になっているケースもいくつか目の当たりにしてきました。その決定、また話し合いの段階においても、ご本人は置き去りにされています。
早期に認知症の診断を受け、その瞬間から、このような間違った理解で対応してしまうと
診断を受けたご本人はこれからの人生に絶望してしまうのではないでしょうか。
認知症の方が中重度になってからの知識しかない、ということも問題だと思います。ご家族はまだしも、せめて支援者は正しい理解を持つべきです。そして、それをご家族、また必要に応じて地域住民の方にも伝えていくべきではないでしょうか。
認知症の方が暮らせる地域、それはその地域の方も暮らしやすい地域ではないでしょうか。
誰もが認知症を患う可能性があり、それは他人ごとではありません。自分事として考えていく必要があるのではないでしょうか。
国が提唱している地域包括ケアシステムで「自助、互助、共助、公助」が謳われています。
これが、実現することで、誰もが暮らしやすい地域になるのではないかと思います。