認知症ケア~帰宅願望に応える家庭的な活動と共有のひと時~

投稿者: | 2024年3月28日

昼食後のお昼寝タイム。

「家に帰らせてもらいます。」

そうおっしゃるAさん。

まずは、お気持ちを聞こうと、座っていただきました。

「家のことが気になる。」とのことで、どんなことが気になるのかは、うまく表現できないようでした。

しばらくお話しましたが、お気持ちは変わりません。

お昼寝から起きてこられる方がいたので、一緒にお話したり、洗濯物を干したりして過ごしました。

家事作業は熱心に取り組んで下さいます。

それを終えると、再び、「それでは帰らせてもらいます」とおっしゃるAさん。

その時に、ちょうど歌を皆さんで歌うところだったので、お誘いすると、皆さんと歌ってくださいました。

その後、お茶会を済ませ、今度は夕食の味噌汁作りを、Aさんと一緒に行いました。奥様に、いつも味噌汁を作っていたとのことで、慣れた手つきで野菜を切って下さり、ダシの量や味噌の量も一緒に考えて行いました。

夕食時に、「社長さん!」とAさんがおっしゃいます。どうやら私のようです。

「社長さんの前に食べる訳にはいかない。」と表情良くおっしゃっていました。

「私は、もう頂きましたよ。遠慮なく召し上がってください。」とお伝えし、食べて頂きました。

晩酌の習慣があったAさん。医師の許可も頂き、焼酎をお出ししました。

私は氷水を用意して、Aさんと乾杯し一緒に晩酌を楽しみました。

その後すぐにベッドでお休みになったと報告がありました。

あとがき

Aさんは、「今居る場所がどこで、なぜここにいるのか」などの不安があったのかもしれません。

特に何もやることがないと、その不安な気持ちでいっぱいになってしまうように思います。

几帳面で、優しいAさん。家でも家事をしていたので、お仕事をお願いすると快く引き受けて下さいます。一緒にその仕事をしているとき、私は幸せを感じます。

Aさんも、他者貢献することで、ポジティブな感情が生まれるのではないかと思います。

またAさんとの晩酌を楽しみにしています。

「くつろぎ(やすらぎ)」、「たずさわること」、「共にあること」そんなことが、今回のAさんとの関わりのテーマになっていたように思います。

参考図書

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