認知症の方が、ご家族に一日に何度も電話をかけてしまい、ご家族が疲弊してしまうことがあると思います。どのようにして、ご本人、そしてご家族にとって心身ともに楽になれるかを解説します。
・ご本人と話をする
まずはご本人と話をしてみましょう。日常会話で大丈夫です。
おそらく、何かしらの不安があって、電話をしているのだと思います。
会話の中で、その不安の背景に何があるのか、よく注意して聞いてみてください。
また、ご本人がどういった人生を送ってきたのかを振り返ってみると、ヒントが隠されていたりします。
私の経験上「何か不安なことはありますか?」と聞いて、「こんなことが不安です」と答えてくれた方は少ないです。記憶障害の影響もありますが、上手く自分の思いを伝えられないからかもしれません。
想像力を働かせながら、「なにが不安なのか」推測してみてください。推測して、「もしかしてこれが不安だったかも!」と思ったら、その不安を解消する方法を考えてみましょう。
最初の推測が正解でないかもしれません。しかし、この繰り返しで、解決していくことが認知症介護の基本です。ただ、この方法はご家族にとって負担になってしまうかもしれません。そんな時は、遠慮なく介護のプロに相談してみてください。
・本人の変化に気付く
日頃の様子をみて、ちょっとした変化に気付いたら、「もしかしたら○○のサインかもしれない」と想像力を働かせてみましょう。不安は、身体的なものから生じる場合もあります。
・電話の内容が何かを把握する
電話の内容が、いつもと同じであれば、そのご本人の困りごとを、事前に解決しておくのも一つの方法です。「今日はデイサービスの日」と、メモを貼っておいたりすると、ご本人の不安解消になるかもしれません。また、いつも電話がくる時間に、ご家族から電話をして、「大丈夫どよ」と伝えることも、「安心」の材料になります。
・環境を整える
「整える」のですが、環境を変えるのは可能な限り避けてください。認知症の方は、感覚的なことに敏感なので、環境の変化に弱いところがあります。ただ、環境が原因で、不安が起こっているのだとしたら、それを取り除くか、わかりやすくすることが必要です。
まとめ
ご本人が抱えている「不安」が何なのか。これを知ることが必要です。しかし、言うは易く行うは難しです。ご家族だけで抱え込まず、介護のプロにも相談して、みんなで解決していきましょう!