意欲アップ!認知症の方が「食べたい」と感じる工夫とは?

投稿者: | 2024年10月26日

認知症の方が、中々食事を召し上がって頂けないということがあります。そういった経験のある、介護者の方もいらっしゃると思います。
どのように寄り添っていくか、解説したいと思います。

「食事を召し上がって頂けない」考えられる原因として
・意欲低下
・環境要因
・身体的要因
身体的健康要因

が考えられます。

・意欲低下
積極的な声掛けや会話により、不安感の軽減、「あなたはここに居る価値ある存在である」というメッセージを送る。先ずは不安軽減に努めましょう。
そして、ご本人に合った役割を持って頂くことが大切です。「人に頼られて、役に立てた」という喜びは、意欲を向上させます。仕事中にご本を褒めることも意欲向上につながります。お願いした仕事が終わったら、感謝の言葉をかけてください。さらに意欲は高まります。
あまり食べたくない理由を、直接お聴きする時間を設けることも必要です。話しやすい環境づくりにも留意しておきましょう。

・環境要因
テレビがついた状態で、食事をしている場面をよくみかけます。しかし、視覚的、聴覚的にも、それが注意力を散漫にさせてしまうことがあります。
室温が適正かも確認することが大切です。
食器やテーブルクロスの色を工夫して、コントラストを高めると、食べ物を認識しやすくなります。
多くのものがテーブルに置かれていると、混乱を招く可能性があるので、シンプルなセッティングを心がけることも必要です。

・身体的要因
認知症の進行によって、食欲が低下することがあります。嗅覚や味覚が鈍くなり、食べ物への興味が薄れるためです。食材の香りや味付けを工夫することも必要です。見た目を鮮やかにすることで、食欲を促す方法もあります。
食事をする際には、安定した姿勢が取れないと、食べ物をこぼしたり、飲み込みが難しくなったりします。椅子や車いすにしっかりと座り、背もたれやクッションを使って姿勢を支えると、安全に食事ができます。

身体的健康要因

脱水
脱水症状があると食事への意欲が低下するため、適切な水分補給が重要です。

嚥下障害
嚥下障害がある場合は、食材の形状やとろみを調整するなど、安全な食事を工夫する必要があります。

慢性痛
関節痛や腰痛などの慢性的な痛みがあると、集中力が低下して、食事にも影響を与えます。認知症の方は、痛みを上手に伝えられないこともあるので、表情や動作から痛みのサインを観察して、対処することが大切です。

口腔内トラブル
歯周病や入れ歯の不具合、口内炎などがあると、食事が痛みや不快感を伴うことがあります。それが原因で、食欲が減退します。口腔ケアを丁寧に行い、口内の健康を保つことが大切です。また、必要に応じて、歯科医のケアも検討します。

尿路感染症
尿路感染症は、高齢者や認知症の方に多く、発熱や倦怠感、食欲不振を引き起こします。特に認知症の方は尿路感染症に気づきにくい場合があります。普段と異なる行動や体調不良のサインがあれば、医師に相談し、早期に対応することが大切です。

貧血
貧血があると、疲労感や集中力の低下が起こって、食事への意欲が減少します。貧血の原因には、栄養不足もあるため、バランスの良い食事と、適切な栄養補給が必要です。

まとめ
まずは、ご本人が「食べたくない理由」を把握することです。それは、直接の会話や、行動、表情などから、ご本人が上手く伝えられないメッセージを受け取ることです。その上で、不安を取り除いていく必要があると思います。意欲低下、環境的要因、身体的要因、身体的健康要因など、その方の抱える困難を多面的にみて、推測し、仮説を立てて、実行してみましょう。その繰り返しが、認知症ケアです。

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