「リフレクティング」という言葉をご存知でしょうか。
「リフレクティング」とは、相手の話を聞き、内容や感情を整理して伝え返すことで、
相手の自己理解や気付きを促す技法です。
認知症の方とお話する時に、この「リフレクティング」が有効です。
認知症の方は、症状が進むにつれ、自分の考えや感情をうまく伝えることが難しくなっていきます。
リフレクティングを意識して、認知症の方と対話することで、
「自分の話を聞いてくれた」
「理解しようとしてくれた」
という、共感の姿勢が伝わります。
安心感や、自尊心を保つことにもつながります。
この過程によって、認知症の方はポジティブな感情が記憶されます。
そして、お互いの「絆」が生まれます。
その結果、次のケアが、より心の通うケアになります。
また、認知症の方が、混乱したり不安を感じているときに、感情を整理する手助けにもなります。
言葉にならない感情を代弁することで、
「今の気持ちに気づく」
きっかけにもなり、心理的な安定を促します。
注意しなければならないのは、リフレクティングを意識した対話の中で、
ケアする人が、自分の期待する方向に話を持っていこうとする魂胆をもたないことです。
逆に、相手の話の波に乗って、波を乗りこなし、ケアする側が構え方を変えていくことが大切です。
そのことによって、
「この人は話を聞いてくれる人なんだ」
「自分の話をして大丈夫なんだ」
そんな信頼と安心感を持って頂けます。
認知症の方とのかかわりの中で、ご本人の話を親身になって聞いてくれる人が、少なくなっていくように感じます。
その結果、ご本人は孤独を感じてしまいます。心を閉ざしていってしまいます。
認知症の方は、寄る辺なさ(心の拠り所がない孤独感)の中で生きていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。
この、寄る辺なさに寄り添って、話を聞くことがリフレクティングとなり、ご本人の心が穏やかになる助けになると思います。