QOL(Quality of Life)いわゆる生活の質。耳にしたことがある方も、多いのではないでしょうか。
認知症をもつ方の、QOLを高くすることだけを、考えがちであるように思います。QOLs(Quality of Lives)とは、QOLの複数形。つまり、ご家族を含めた関係者全員のQOLsも大切です。
認知症をもつ方へのケアは、ご家族へのケアも含むということです。
ご家族も、葛藤し、自分の体験から学び、受容していきます。
言うは易く行うは難しで、そのプロセスはとても苦しいものです。
以下は一般的な、障害受容のプロセスです。
- 否認
- 怒り
- 取り引き
- 抑うつ
- 受容
ご本人、ご家族、どちらか一方だけが幸福であればいい訳ではありません。ご本人のQOLはご家族にも影響します。その逆も然りです。
ご家族は、介護の専門家ではありません。介護従事者からのサポートやアドバイスが必要です。
介護従事者が家族会を開くなどして、同じ悩みや苦労を共有する機会を作ることも有効です。「自分だけではない」と思えることは、救いの一つになると思います。
認知症の症状が出始めた初期に、病院で認知症と診断された後に、認知症当事者の方とのカウンセリング、いわゆるピア・サポートがとても有効です。
ご本人もご家族も、適した依存先があることが、支えとなります。
依存は悪いことではありません。自律を助けてくれる依存先や、共感によって気持ちが楽になる依存先などを選ぶことが大切です。
一人で抱え込まないように、堂々と人の手を借りましょう!