病気じゃなくて“人”として見てほしい──心の苦しさと向き合う私たちへ。

投稿者: | 2025年3月29日

『べてるの家』という活動をご存知でしょうか? 心の病や生きづらさを抱える方たちが、共に悩みを語り合いながら、当事者自身が“自分の研究”を行う、ユニークな共同体です。
そして、べてるの家では、
「苦労を取り戻す」という理念を掲げています。

心の病を患った(わずらった)時、治療や支援にかかわる専門職は、知らぬ間に、人間として当然ある苦労を奪ってしまっているのではないかと思います。
様々な支援のアプローチや、薬などによって、その権利を奪ってしまいかねません。

フランクルは、心の病の根本には「※実存的な危機の偽装がある」ということを述べています。
※実存的な危機の偽装がある:実存的な危機(=自分の存在の意味や価値への深い不安)を、心の病が一時的に覆ってくれる役割をしている

何かに悩んだり、困ったりして病を患っている訳ではない。
人間として当たり前のようにある、悩みや困りごとのなかで、心が揺れながら毎日を過ごしている。
向谷地生良さんは、『実は、心の病がこの「揺らぎ」を生んでいるのではない。その揺らぎをやわらげ、存在の危機へ直面するのを回避させる役割を、「心の病」が果たしている』のように述べています。

「心の病を持っている人」ではなく、「一人の人」としてかかわり合うことを忘れてはいけない重要なことだと思います。フランクルの実存主義的アプローチや、ヒューマニスティックなアプローチが必要です。

実存主義的アプローチとは、
「どんな状況でも人生に意味を見出す力を信じる立場」
ヒューマニスティックとは、
「人間の尊厳や成長、主体性を大切にする考え方で、個別性を大事にする」

共通しているのは、
「人間が本来持っている変えようのない生きにくさ」に視点を置くことだと思います。

人として、この「生きにくさ」と心揺らぎながら、向き合っていく。そのためのアプローチが必要だということです。

しかしながら、専門職が支援をして、この「生きにくさ」を解消できるわけではありません。
考え方を変えたり、自律神経を整えようなど工夫したりして、努力して乗り越えるものでもありません。そういったことは、逆に自分を苦しめてしまいかねます。
※サムシング・グレートに自分の心身をゆだねて、「生きにくさ」と共に生きていくことが、「その人らしさ」をもって、生きることだと思います。自分の心の苦しさに、謙虚さをもつことが、
「それも自分であると認めること」に対するセルフケアになります。

※「サムシング・グレート(Something Great)」とは、医学者の村上和雄さんがよく用いた表現で、
「人間の生命や自然の仕組みをつくり、動かしている“人知を超えた偉大な存在”をいいます。宗教的な神とは少し違い、特定の宗教に縛られずに、生命の神秘や宇宙の秩序の背後にある、計り知れない何か大いなる力として語られることが多いです。

簡単にまとめると――
「生命や宇宙の神秘を生み出す、人間を超えた偉大な存在や力」といえます。

この心の苦しさは何なのか。
その本質を多くの人がわからないのではないかと思います。
「わからない」ことを「わかる」ことから始めることです。それが、心の苦しみに対する謙虚さであるし、「わからない」状態に留まる力が身に付きます。心穏やかになるための第一歩となります。

参考文献
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私は、双極性障害を抱えながら日々を過ごしています。
心の苦しさと共に生きてきた経験から、
同じような「苦しさ」「悲しさ」「寂しさ」を分かち合う時間を大切にしています。

同じような心の揺らぎや、生きづらさを抱える方が
少しでも穏やかに過ごせるように——。
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