パーソンセンタードケアの勉強を始めたい方にはピッタリです!非常に読みやすく、わかりやすい本です!
以下、本の紹介です。
認知症ケアにとって大切なパーソンフッド。これは
「一人の人として周囲に受け入れられ、尊重されること」
です。
認知症の方が
「人として扱われる」
という当然のことが、阻害されているのが現実としてあります。
誤った理解を正して、その方の人間性を尊重した認知症ケアを「パーソンセンタードケア」といいます。
また、「年齢や健康状態にかかわらず、すべての人々に価値があることを認め尊重し、ひとりひとりの個性に応じた取り組みを行い、認知症をもつ人の視点を重視し、人間関係の重要性を強調したケア」をいいます。
ケアしたことにより、認知症の人の「良くない状態のサイン」が「良い状態のサイン」に転換されたり、「良い状態のサイン」が維持され向上していくことが、パーソンセンタードケアの目標になります。
パーソンフッドを保つことを大切にしたケアを行うことで、「良い状態」を高めることができます。
具体的には
・脳の障害
・身体の健康状態
・生活歴
・性格傾向
・社会心理
この5つに基づいたケアです。
下図の愛を中心とした5つの心理的ニーズが、満たされると、良い状態でいられます。
5つのケアを実践するための情報収集をして、心理的ニーズを満たすケアをしていくことが大切です。
思いを「聞く」→情報を集める→ニーズを「見つける」
という3つのステップが有効です。
◎思いを「聞く」上でのテクニック
①笑顔で!:その方から少し下から目線を合わせます
②優しい声で:「優しいトーンで、大きすぎず小さすぎない、ゆっくりとした声」
③温かく触れて!:「あなたの話を聞いています」というメッセージになります。また触れることで、オキシトシンという幸せホルモンが脳から放出されます。
◎情報を「集める」:上記にもありますが、以下の点について情報を「集めます」
・脳の障害
・身体の健康状態
・生活歴
・性格傾向
・社会心理
◎ニーズを「見つける」
上記の図の5つの心理的ニーズのうち、どのニーズがあるのかを考えます。
・くつろぎ:リラックスした状態。優しさ、親密さによってもたらされます。
・アイデンティティ(自分が自分であること):唯一無二の存在であるという感覚をもつこと。
・愛着・結びつき:心の絆、交流、信頼など。
・たずさわること:その人にとって意味のあるやり方で活動に関わること。
・共にあること:人々の輪に入って、歓迎され、受け入れられていると感じること。
事例に沿って解説があります。
まとめ
その方の思いを聴き、その方を知ることに努め(情報を「集める」)、情報からニーズの仮説を立てて実践する。仮説を立てたニーズが間違っていたら、再度思いを聴くということの繰り返しが認知症ケアであると私は考えています。そのためには、チームケアが不可欠です。こまめなカンファレンスを開き、その方の「良い状態」を維持できるように、また「良くない状態」を「良い状態に」転換できるように支援していきましょう。
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