ついに米FDAで正式承認された「レカネマブ」。
アルツハイマー型認知症の原因とされている、「アミロイドβ」というたんぱく質を、除去する薬です。18か月投与した時点で、27%病気の進行を遅らせることができたとされています。
今回はアルツハイマー型認知症の病理を簡単に説明しながら、レカネマブについてもう一歩踏み込もうと思います。
アルツハイマー型認知症の病理
アミロイドβ産生-老化→アミロイドβが脳に沈着-老化→アミロイドβの除去できない
神経細胞機能障害(神経細胞の通信や栄養供給が妨げられ、認知機能の低下)
神経原線維変化タウ(神経細胞の正常な機能に障害、神経細胞の機能が障害)
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アルツハイマー型認知症
レカネマブは、このアミロイドβの除去ができますが、進行の約3割を低減にとどまり悪化が止まるわけではありません。
使用のタイミング
早い段階からの投与が必要です。MCI(軽度認知症)、軽度アルツハイマー型認知症方が対象です。
また、脳にアミロイドβが沈着されている根拠があって投与されます。脳画像検査、脳脊髄液検査などで確認できます。
バイオマーカー診断:アルツハイマー病の診断や病態の評価に役立ちます。
・アミロイドβの沈着
・タウ(神経原線維変化)
・神経変性
これらを確認することができます。
使用上の注意
アルツハイマー型認知症が進行した方に使用してしまうと、髄膜炎、脳炎症状の悪化の恐れがあります。