~アルツハイマー型認知症:今後のケアについて~

投稿者: | 2023年2月18日

ご家族より「今後どのような支援が必要になっていくか相談したい」とのお話がありました。

どのようにお話しようか迷いました。認知症の中核症状や周辺症状、そのような話をしても、人それぞれ症状は違うし、どのように進行していくかも違います。

そこで、ご本人の行動に起因する感情や、それに対してどのような関りが必要か、自尊心を大切にする必要性、そんなことをお話しようかと思います。

まず感情です。よく、「認知症になるとなにもわからなくなる」と耳にしますがそれは違います。自分の異変に気付いていますし、記憶ができない、またそれを責められることによって、自信を失い、不安や焦燥感も出てきます。それが、繰り返し同じことを言うとか、家にいても「家に帰りたい」と言うとか…そんな言動に繋がります。

次にご本人との関りですが、家や家族が安心できる場所、人であることが大切です。自分の異変や不安に基づいた言動が、いわゆる「問題行動」になっていきます。ここは安心できる場所なんだ、安心して一緒にいれる人なんだと感じ取っていただけるようにする必要があると思います。

最後に、人間が最後まで持ち続けるといわれる「自尊心」の大切さです。自尊心とは、自分にはこれができる、やれるなど、「自分のことを誇らしく思える気持ち」のことをいいます。どんなに失敗しようが、完ぺきにできていなくても、自分自身でやる方が幸福度も活動度も高まります。

施設職員は、仕事だから上記のような対応ができると思います(援助者でもできないときもありますが…)傍にいるご家族は、かなりのストレスを感じると思いますし、それによってイライラして口調が強くなったりすることがあると思います。

私はそれを責めることなどできません。ご家族にはご家族の事情がありますし、ご本人に対して怒ってしまうことも無理ないと思います。

しかし、繰り返しになってしましますが、ご本人の不安や焦燥感、あるいは寂しさなど、そんな感情が起因して、症状が現れている。それだけ心に留めて頂きたいです。そして困ったときは、ケアマネジャーや施設職員、あるいは地域包括支援センターに相談してみてください。

困りごとがある度に、どんな工夫が必要か、どんなポジティブなケアが必要か、それをその都度話し合っていくことが、大切だと思います。困りごとが大きければ工夫やケアの量も大きくなっていきますが、そうやってご家族や施設職員等で関わっていくことで、認知症の方の「その人らしさ」を保つ手助けになるのではないかと思っています。

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