認知症の方で、同じことを繰り返し仰る方が、ご家庭や事業所でいらっしゃるのではないでしょうか?
単に言ったことをすぐ忘れてしまうからでしょうか?
認知症の方は、実は自分の異変に気付いています。
「自分は何かおかしい」。そう感じると不安になります。その不安感から、同じことを繰り返し言ってしまうのです。
取り繕い(とりつくろい)をするのも、不安感からだと考えられます。
また、今まで出来ていたことが出来なくなってくると、自信を失ってしまいます。そのことによって、自分から発信することを諦めてしまいます。
出来なくなったことを、責められれば、自尊心も傷ついてしまします。
~事例~
バルーンカテーテル留置している、認知症の方。「トイレに行きたい」、「トイレに行きたいような気がする」と繰り返し仰います。説明をすれば納得していただけますが、繰り返し仰っているのです。
そこで、「違和感があるんですよね。自分でもわかっているんですよね?」と声をかけると、「そうなの。」と仰っていました。やはり、自覚はあるのです。
レクリエーションや家事活動をしていると、トイレに行きたいという訴えは聞かれません。生き生きと活動に取り組んでいます。
気を紛らわせているということもあるかと思います。同時に、楽しい、または他者貢献をしていることが、「今ここにいる」安心感を生んでいるのではないでしょうか。
まとめ
繰り返し同じことを言っても、その方の感情を認めて、寄り添うことが大切です。
また、その方の発言は、その方にとっては真実です。否定することは避けることも大切だと思います。
そうすることで、安心感を生み、ご本人の不安軽減になると思います。