認知症ケア~なぜ同じことを繰り返し言うのか~

投稿者: | 2023年8月5日

認知症の方で、同じことを繰り返し仰る方が、ご家庭や事業所でいらっしゃるのではないでしょうか?

単に言ったことをすぐ忘れてしまうからでしょうか?

認知症の方は、実は自分の異変に気付いています。

「自分は何かおかしい」。そう感じると不安になります。その不安感から、同じことを繰り返し言ってしまうのです。

取り繕い(とりつくろい)をするのも、不安感からだと考えられます。

また、今まで出来ていたことが出来なくなってくると、自信を失ってしまいます。そのことによって、自分から発信することを諦めてしまいます。

出来なくなったことを、責められれば、自尊心も傷ついてしまします。

~事例~

バルーンカテーテル留置している、認知症の方。「トイレに行きたい」、「トイレに行きたいような気がする」と繰り返し仰います。説明をすれば納得していただけますが、繰り返し仰っているのです。

そこで、「違和感があるんですよね。自分でもわかっているんですよね?」と声をかけると、「そうなの。」と仰っていました。やはり、自覚はあるのです。

レクリエーションや家事活動をしていると、トイレに行きたいという訴えは聞かれません。生き生きと活動に取り組んでいます。

気を紛らわせているということもあるかと思います。同時に、楽しい、または他者貢献をしていることが、「今ここにいる」安心感を生んでいるのではないでしょうか。

まとめ

繰り返し同じことを言っても、その方の感情を認めて、寄り添うことが大切です。

また、その方の発言は、その方にとっては真実です。否定することは避けることも大切だと思います。

そうすることで、安心感を生み、ご本人の不安軽減になると思います。

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