手を差し伸べることの真価~認知症の方との共有活動のすすめ~

投稿者: | 2024年4月18日

自らたずさわること

昼食が終わり、自ら下膳しようと頑張って、お盆を持って歩いている方に対して、「危ないからいいですよ。」と取り上げてしまう。そんな光景をよく目にします。

様子を見て、「重くないですか?大丈夫ですか?」と声をかけて、その方が「大丈夫です」とおっしゃれば、「ありがとうございます」と声をかけて見守る。この関りは、概ね良いのではないかと思います。

厳密にいうと、「重くないですか?大丈夫ですか?」という声掛けが、自尊心を傷つける可能性があります。なので、その方の性格やその状況(明らかに重くて辛そうにしている)を鑑みて、声をかけるか判断する必要があります。

「危ないからいいですよ」と取り上げる。そのような対応をされて、認知症の方はどう思うでしょうか?

「私だってできる」「わたしにはできないとおもっているのか!」

そんな風に思うと思いませんか?

「認知症」に限らず、例えば自分だったらどうですか?

やろうと思っていることを、危ないからと取り上げられたら。

同じように思いませんか?

生命にかかわるようなことでもなければ、失敗をしてでも、その方のやろうとしていることを、奪わないことは、とても大切です。

目的意識を奪わないことは、自尊心を守ります。そして、意欲を高めることに繋がります。何より尊厳の保持となります。

リスクを回避したり、完璧を求めることで、目的意識を奪いがちになると思います。

失敗したっていいし、完璧にできなくてもいい!

その方が、「自らたずさわろうとすること」を、大切にして関わっていくことが、認知症をもつ方の、心理的ニーズを、満たすことにつながります。

参考図書

https://amzn.asia/d/20E0QCL 実践パーソン・センタード・ケア―認知症をもつ人たちの支援のために

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