介護や医療の現場で使われる「アセスメント」という専門用語があります。
とくに、介護で使われる「アセスメント」の意味は、
「利用者がなにを求めているのか正しく知ること、そしてそれが生活全般のなかのどのような状況から生じているかを確認すること」
を意味します。(認知症ケア用語辞典/株式会社ワールドプランニングより)
専門職が、自分の尺度に合わせて情報収集をして、利用者の方を客観的に理解しようとすることが目的としてあると思います。
しかし、いくら客観的に理解しようとしても、アセスメントする専門職の定規で、利用者の方を理解しようとしているように感じます。
利用者の方が本当にもとめているもの、心の底で思っていること、感じていること。
それは、かかわっていく中でしか引き出せないものだと思います。
多くの利用者の方は、何かしらの身体的、心的問題を抱えてらっしゃいます。
描いていた未来が、その問題によって、叶わなくなってしまっている状態です。
思い描いていた未来と現実のギャップを埋めるのがケアマネジメントだと、
私は思っています。
そのために、わたしはケアマネジャーとして仕事をしています。
このギャップを埋めるために、オープンダイアローグ(対話による共同の気づきの場づくり)が必要だと思います。
先に述べたようなアセスメントは行いません。
対話の中で、一人ひとりの言葉を大切にしていく。すると、それに反応して様々なことが語られていきます。
この時、専門職は必要な情報を集めようとしない。そして、「先読みしない」ことが大切です。
対話している参加者全員で、共有していく。
オープンダイアローグの理論的主導者である、ヤーコ・セイックラさんがおっしゃる「対話の一回性」というものがあります。
対話の中で、即興的に起きる偶然性が、場を好転させていくというアイデアです。
その場にいる方達の世界観が、重なり合って「語り合えば語り合うほど他人と自分との違いがより微細にわかるようになる」(せんだいメディアテークのパンフレット「対話の可能性」より)のだと思います。
他人と自分との違いがわかるというのは、自分自身を知ることだと思います。
そして、この対話を共有することで、相互理解が深まると思います。
繰り返しになりますが、この相互理解は、専門職と利用者だけのことではなく、参加者全員のことです。
そうやって、人と人との営みが行われる。その中で、利用者の方の心の底にある「こうありたい」という「夢」を見つけることができるのだと思います。
思い描いていた未来とのギャップを埋めるのはご自身です。
ですが、その背中を押すことはできるのではないかと思うのです。
それが、ケアマネジャーとしての私の誇りです。