「認知症」と聞くと、
「記憶障害」というキーワードが、頭に思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。
しかし、
それは認知症の方だけの問題でしょうか。
たとえば、
感情記憶について。
感情記憶は、比較的最期まで残るとされています。
なぜかというと、
日常生活でのエピソードは、
脳の「海馬(かいば)」や「前頭前野(ぜんとうぜんや)」という部分で、
記憶をしています。
しかし、そのエピソードでの感情は扁桃体に定着されます。
偏桃体で定着されたものは、長期にわたって残ります。
こういったことを理解することは、
認知症の有無にかかわらず、
日々の人間関係やコミュニケーションに活かすことができます。
認知症の方も、当然「一人の人」です。
その「人」とコミュニケーションを交わし、
より良い人間関係をつくりたいと思った時に、
この知識の理解をもつことが大切です。
「より良い人間関係をつくりたい」
その時に、
その方の、性格や、大切にしていること、個性などを知ること自体には、
「認知症」という意味付けをあえてする必要はないと思います。
ただ、
その「人」が、認知症という「個性」を持っていると知った時、
どんな個性なのかを「人」として、「知ろう」と思う。
それが、自然なことではないかと思います。
認知症という症状によって(認知症は疾患名ではありません)、
徐々に、海馬や前頭前野に障害を受けます。
一旦は海馬や前頭前野にエピソードが記憶されます。
その時の感情は扁桃体に定着されますが、
エピソード自体の記憶は抜け落ちてしまいます。
この「扁桃体」は、障害されにくいため、
感情の記憶は比較的残りやすいのです。
このような「個性」を知って、
その「人」と付き合っていく。
そこに、
「認知症だから」
はありません。
「認知症だから」という意識がある限り、
「ケアする側」と「される側」という、
隔たりが生まれてしまいます。
だから、
あくまでも「人と人との営みとして」かかわるという意識が大切だと、
私は思います。
あえて、
専門性をもって表現するのであれば、
「ケアシェアラー」(ともにケアを分かち合う)という姿勢をもつ。
ということです。
ケアシェアラーとは、
共に生き、共に支え合う関係性。
つまり「共にケアを分かち合う」という意識を表しています。
記憶の特性を理解することは、
認知症の方への理解を深める上で不可欠な知識です。
しかし、
その知識を「認知症だからこういうケアをする」という、
マニュアル的な思考に繋げないという意識を持つことが大切です。
「この「人」は、こんな個性をもっている。でも、それ以上に、一人の人として、何を大切にしていて、どんなことに対して幸せを感じるんだろう」というような問いかけに繋げることが、専門性であり、「ケアシェアラー」としての姿勢だと思います。
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自分らしさ専門相談員
西澤優佑(サブ)
・保有資格
精神保健福祉士
介護支援専門員(ケアマネジャー)
認知症ケア専門士
介護福祉士
認知症介護実践者研修修了
小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修修了