人と人として、心を通わせるヒント~記憶に認知症の有無は関係ない~

投稿者: | 2025年7月10日

「認知症」と聞くと、
「記憶障害」というキーワードが、頭に思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。

しかし、
それは認知症の方だけの問題でしょうか。

たとえば、
感情記憶について。

感情記憶は、比較的最期まで残るとされています。
なぜかというと、
日常生活でのエピソードは、
脳の「海馬(かいば)」や「前頭前野(ぜんとうぜんや)」という部分で、
記憶をしています。
しかし、そのエピソードでの感情は扁桃体に定着されます。
偏桃体で定着されたものは、長期にわたって残ります。

こういったことを理解することは、
認知症の有無にかかわらず、
日々の人間関係やコミュニケーションに活かすことができます。

認知症の方も、当然「一人の人」です。
その「人」とコミュニケーションを交わし、
より良い人間関係をつくりたいと思った時に、
この知識の理解をもつことが大切です。

「より良い人間関係をつくりたい」
その時に、
その方の、性格や、大切にしていること、個性などを知ること自体には、
「認知症」という意味付けをあえてする必要はないと思います。

ただ、
その「人」が、認知症という「個性」を持っていると知った時、
どんな個性なのかを「人」として、「知ろう」と思う。
それが、自然なことではないかと思います。

認知症という症状によって(認知症は疾患名ではありません)、
徐々に、海馬や前頭前野に障害を受けます。
一旦は海馬や前頭前野にエピソードが記憶されます。
その時の感情は扁桃体に定着されますが、
エピソード自体の記憶は抜け落ちてしまいます。
この「扁桃体」は、障害されにくいため、
感情の記憶は比較的残りやすいのです。

このような「個性」を知って、
その「人」と付き合っていく。

そこに、
「認知症だから」
はありません。

「認知症だから」という意識がある限り、
「ケアする側」と「される側」という、
隔たりが生まれてしまいます。

だから、
あくまでも「人と人との営みとして」かかわるという意識が大切だと、
私は思います。

あえて、
専門性をもって表現するのであれば、
「ケアシェアラー」(ともにケアを分かち合う)という姿勢をもつ。
ということです。

ケアシェアラーとは、
共に生き、共に支え合う関係性。
つまり「共にケアを分かち合う」という意識を表しています。

記憶の特性を理解することは、
認知症の方への理解を深める上で不可欠な知識です。

しかし、
その知識を「認知症だからこういうケアをする」という、
マニュアル的な思考に繋げないという意識を持つことが大切です。

「この「人」は、こんな個性をもっている。でも、それ以上に、一人の人として、何を大切にしていて、どんなことに対して幸せを感じるんだろう」というような問いかけに繋げることが、専門性であり、「ケアシェアラー」としての姿勢だと思います。


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自分らしさ専門相談員
 西澤優佑(サブ)

・保有資格
精神保健福祉士
介護支援専門員(ケアマネジャー)
認知症ケア専門士
介護福祉士
認知症介護実践者研修修了
小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修修了