事例
お茶会を開きました。
まずは、自己紹介をします。恥ずかしがる方もいらっしゃいましたが、拍手と感謝で、ポジティブにフィードバック。
そのあとは、「若い頃に登場して驚いた家電」についてお話をしました。
導入として「sora」の話をして、AIのことを簡単に説明します。自分はそれに驚いているが、みなさんが若い頃はどうだったか聴きたい旨をお伝えします。
一つの質問に、全員がお話できるようフォローしながら、脱線も楽しみながら、お茶会をします。
途中に、お茶を注いで頂いたり、下膳して頂いたり、役割を持って頂きました。
お茶会中に、クラシックのTV番組を見ていると、最近元気のなかった利用者さんが、
「この曲は3拍子ですね」とおっしゃり、
番組が終わってからも
「この曲は3拍子ですね」
とおっしゃっていました。
自発的に発言され、よくお話もしてくださり、とても明るい表情をみせて下さいました。
フィードバック
認知症の方がお茶会のような社会的な活動に参加し、その結果、自発的に発言を始め、表情が明るくなったというお話は、社会参加と認知症の方の精神的な健康に関する研究でよく見られる結果です。
・社会的なつながり: 社会的な交流は、孤独感を軽減し、所属感や安心感を高めることができます。認知症の方にとっても、他者とのつながりは自己価値感と幸福感を向上させることがあります。
・認知機能の刺激: 会話や活動に参加することで、記憶力や言語能力などの認知機能が刺激され、活性化することがあります。これは脳の健康を保つのに役立ち、症状の進行を遅らせることがあると考えられています。
・役割と貢献: お茶を注ぐ、下膳をするといった役割を果たすことで、自己有用感や達成感を感じることができます。認知症の方にとっても、社会的な役割を持つことは自尊心を高め、積極性を促すことがあります。
・感情的な表現の場: 音楽、アート、会話などの活動を通じて感情を表現する機会を持つことは、感情的な健康をサポートし、うつ症状の軽減に役立つことがあります。
まとめ
社会的な活動は認知症の方の精神的、感情的、認知的な健康に多面的に良い影響をもたらします。ただし、個々の反応は人によって異なるので、活動はその人の好み、能力、興味に合わせて調整していくと良いと思いいます。