MCI(軽度認知障害)という言葉は、以前に比べ、認知されてきているのではないでしょうか。
MCIは可逆性(元に戻れる)があるので、MCIの診断をされても、対応策にしっかり取り組めば、以前のような健康な姿に戻れます。認知症は不可逆的(元には戻らない)なものなので、MCIを早期発見し早期治療に取り組みましょう!
MCIから、健康状態に戻る方法
1. 健康的な生活習慣の維持
- バランスの取れた食事: 野菜、果物、魚、全粒穀物、ナッツなどを多く含む食事を摂ることが推奨されます。
- 定期的な運動: 有酸素運動(ウォーキング、サイクリング、スイミングなど)や筋力トレーニングを週に数回行うことが推奨されます。
- 適切な睡眠: 毎晩7〜9時間の質の良い睡眠を確保することが重要です。
- 禁煙と節酒: タバコをやめ、アルコールは適度に摂取するようにしましょう。
2. 脳の活性化
- 認知トレーニング: クロスワードパズルや数独、ボードゲーム、読書など、脳を使う活動を行うことで認知機能を維持・向上させることができます。※最後に認知トレーニングについて補足します。
- 社会的交流: 友人や家族と定期的に交流し、孤立を避けることが重要です。
3. 医療的介入
- 定期的な健康チェック: 医師と相談し、定期的に認知機能を評価し、MCIの進行をモニタリングします。
- 薬物療法: 一部のケースでは、医師の指導のもとで認知機能をサポートする薬物が使用されることがあります。
4. 精神的な健康の維持
- ストレス管理: 深呼吸や音楽鑑賞、趣味活動などで、リラックスできることを行うことで、ストレスを管理することが推奨されます。
- 心の健康ケア: 不安やうつ症状がある場合は、専門家の助けを借りることが重要です。
5. 病因の管理
- 基礎疾患の管理: 高血圧、糖尿病、高コレステロールなどの管理が重要です。これらの状態が認知機能に影響を与えることがあるためです。
これらの取り組みを継続的に行うことで、MCIから健康な状態に戻る可能性を高めることができます。具体的な計画については、医師と相談することをお勧めします。
補足
※認知トレーニング
1認知予備力の向上
- 認知予備力とは、脳が損傷や老化に対する耐性を持つ能力を指します。認知予備力が高い人は、同じ程度の脳損傷を受けても、認知機能の低下が少ないとされています。知的活動や学習を通じて認知予備力が向上するという研究があります 。
2認知トレーニングの効果
- クロスワードパズルや数独などのパズルは、記憶力、問題解決能力、注意力を鍛えるのに有効です。これらの活動は、脳の神経ネットワークを強化し、新しいシナプスを形成する手助けとなります 。
- ボードゲームやカードゲームなどの活動は、計画立案、戦略的思考、記憶力を必要とし、これらの認知機能を向上させる効果があるとされています 。
3.読書の効果
- 読書は、特に言語処理能力、理解力、記憶力を高めることが知られています。読書を定期的に行うことで、脳の健康を維持し、認知機能の低下を遅らせることができます 。
- さらに、ストーリーを理解するためには、複雑な情報を処理し、異なる視点を考慮する必要があるため、脳の複数の領域が活性化されます 。
アルコールについては、男性では飲酒量が多くなるとMCIリスクが高まることから少量に控えた方が良いと言われることが多いと思いますが、長期暴露すると脳が萎縮することもわかっているわけなので、タバコ同様にやめた方が良いのではないでしょうか。高齢アルコール依存症者は前頭葉の萎縮や脳梗塞が多いので、少量に抑えても長期飲酒を続ければ努力は水の泡だと思っています。
コメントありがとうございます。返信が遅くなり申し訳ございません。
アルコールの長期間の過剰摂取による脳へのダメージ(アルコール依存症やビタミンB1欠乏に起因する障害など)については明確な因果関係があります。一方、適度な飲酒と認知症リスク低減の関係は、主に相関関係に基づくものであり、因果関係を立証するにはさらなる研究が必要です。
個々の状況に応じて適切な飲酒習慣を維持することが重要であり、過度の飲酒は避けるべきです。