ケアマネジャーとして働く私が、あえて肩書を外す理由

投稿者: | 2025年3月26日

ケアする人は「職業人になりきった職業をまっとうできないという矛盾」がある。
そして、
ケアとは「そういう深い矛盾をはらんだ仕事である」と、
哲学者である鷲田清一さんはおっしゃっています。

職業人になりきると、対象者との間に線が引かれます。
そうやって、ある程度の距離を取ることが必要であると、学んだ方もいらっしゃるかもしれません。

言葉にすると、ケアする人とケアされる人と分けてしまいます。
しかし、私はケアする人もケアされる人も、「人と人」であるということを忘れないように意識しています。そして、縦の関係ではなく横の関係。同じの立場であること。むしろ、私は高齢の方を主に対象としているので、敬う気持ちを持つよう徹底しています。

しかしながら、ベースには専門的な知識は必要です。
でもそれは、介護保険のことだったり、疾患のことだったり、または脳科学であったり、そのようなことです。知識よりも、価値観や倫理観をもっていることが重要だと考えています。
自立とは何か。
自律とは何か。
尊厳とは何か。
そんなことを自分の中で成熟させていく必要があると思います。

私は、ケアマネジャーです。
利用者の方とかかわる時には、その肩書や専門性は横に置いておきます。

ケアすることは、「人と人としての営み」です。
「あなたのことを知りたい」
「あなたの夢、希望を知りたい」
そんな想いで、対話を重ねていきます。

そして、
「あなたのことを大切に思っている」
というメッセージを送ります。

ケアマネジャーは専門職です。
でも、その専門性に偏ると、私が考える(これまで述べてきたこと)「対人援助職」ではなくなってしまうと思うのです。そこに矛盾が生じるのではないかと思います。

この「深い矛盾をはらんだ」立場に留まり続けて、「職業人になりきった職業をまっとうできない」ということを知りながらも、目の前にある課題という壁の前で、その向こうに明るい未来があるということを信じる姿勢が、「対人援助職」には必要なんだと思います。

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