支援者にとっての、利用者への「姿勢」、「心持ち」とはどんな要素が求められるでしょうか。
対人援助職は、感情労働です。精神的ストレスも大きなものです。
今回は、そんなストレスフルにある支援者の心構えについて、解説していきます。
支援者は、どんな時にストレスを感じるのか
利用者が求めることに関して、それに応じられない時に強いストレスを感じます。また、利用者への想いが、強ければ強いほど、利用者への意向に沿えないこともストレスになります。
それでも、利用者が望む暮らしのために、最大限の支援をしなければなりません。
この時に大事なことは、諦めないこと、関係者との交渉を続けること、社会への発信をすること、です。
答えが直ぐでないとわかっていながらも、そこに留まり、働きかけ続けることです。その姿勢が、良い方向へ繋がると、希望を持つことが大切です。
複雑な※ステークホルダーの中で行う支援
※ステークホルダーとは、あるプロジェクトや組織の活動に関わり、その影響を受ける全ての関係者のことです。支援者は、複雑に交わるステークホルダーの中に立って、それぞれのステークホルダーに関わっていかなければなりません。
そうすると、ジレンマが生まれてきます。そして、トリレンマ(3つの内2つしか選べない)どころではなくなってきてしまいます。
支援者と利用者も、一緒になって、ステークホルダーへの働きかけを行います。そして、ステークホルダーの意向を踏まえた上で、利用者は支援計画に合意します。
そうすることで、支援者は利用者に対して安心して、意見を出すことができるようになります。
支援者としての覚悟
支援活動の中で、利用者の意思や意向がさまざまな圧力によって揺さぶられる場面に直面することもあります。
支援者は、そこで屈することなく、誠意をもって、説得し、納得してもらえる努力をしなければなりません。
利用者の権利擁護、意思決定の尊重は支援者の揺るがない倫理です。
支援をしていて、大きな壁にぶち当たることは多々あります。
しかし、それをどうにか乗り越えようと努力します。時には諦めそうになることもあるかもしれません。それでも、無力感を感じながらも、支援を続けなければなりません。
まとめ
支援者は、利用者のみならず、様々なステークホルダーの立場を考えながら、支援活動を行う必要があります。
何が答えなのかわからない、先が見えない状況にもなります。
それでも、そこに留まって、耐える力。※ネガティブ・ケイパビリティが重要なスキルとなります。
※ネガティブ・ケイパビリティ
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参考文献
あえて答えを出さず、そこに踏みとどまる力‐保留状態維持力対人支援に活かす ネガティブ・ケイパビリティ |著 田中 稔哉 |本 | 通販 | Amazon