『帰宅願望』とどう向き合うか~認知症ケアの現場から~

投稿者: | 2024年5月22日

Aさんの優しい人柄を、豹変させてしまっている。

Aさんは、「家に帰る」とおっしゃり、外を歩き始める。職員は、施設に戻ってもらおうと声をかけるが、そんなものは通用しない。逆に、怒り出し、手が出たり、噛みつこうとしたりする。

車で迎えに行き、一度車に乗って、少しドライブして施設に戻ると、「だまされた」とおっしゃる。

再び歩き始め、体力の限界になり、Aさんも諦めて施設に戻る。

このようなことを繰り返している。

Aさんは確かに認知症ではあるが、場所の理解もできている。「だまされた」という体験を積み重ねていくうちに、怒りを超えて、意欲低下も考えられる。そして、自分から発信することを諦めてしまう可能性もある。「諦め」から、自信喪失につながる恐れもある。施設はカギをしていないが、ある意味では行動の抑制をしていて、認知機能は低下することも考えられる。

Aさんが、望んでいる「自宅での生活」。

今なら、私たちのサービス(訪問や通い)を使い、インフォーマルサービスも組み合わせれば、在宅生活はできる。

そう家族にお話をして、少し考えたいとのことだった。

帰りたいを、全て「帰宅願望」で片づけないよう注意する必要がある。それがBPSD(行動.心理症状)なのか、それとも純粋に「家に帰りたい」のか。

後者であれば、在宅生活を全力で支援していきたい。

「家に帰る」という当たり前のことを、簡単に制限してはいけないと思う。

『帰宅願望』とどう向き合うか~認知症ケアの現場から~」への2件のフィードバック

  1. 通りすがり

    介護の現場の様子を漏れ伝え聞くに「諦めさせる」ことを目指すというやり方があるように思われますが、これは概ねの実態に即した印象と考えて良いでしょうか?

    返信
    1. サブ 投稿作成者

      コメントありがとうございます。
      本来、「諦めさせる」形で、行動を抑制するのは、よくないことだと考えます。
      ただ、施設を出て行ってしまい、しばらく一緒に歩き、体力の限界を本人が自覚して、施設に帰ることはあります。
      そうなる前に、ゆっくり話を聴く時間を設けることで解決することも出来ます。

      返信

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